住まいづくりに役立つヒント

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IoT(アイオーティー)も活用して
高めたい住まいの防犯対策

警察庁のデータによると、侵入窃盗の認知件数は年々減少傾向にあります。
これは、自治体で設置している街頭の防犯カメラが増えたことやホームセキュリティの普及はもちろん、
昨今のIoTの進化により、自分で自宅を警備する「セルフセキュリティ」も進んできたことが挙げられます。
そこで最新の防犯対策について取材しました。

取材協力:ALSOK 綜合警備保障株式会社 関西営業部 岸本 祐輔さん 吉田 麻由美さん https://www.alsok.co.jp/

狙われやすい住まいの
特徴と防犯対策を知ろう

〈空き巣の侵入手段〉

〈住宅対象侵入窃盗の侵入口〉

 同じ一戸建てでも、空き巣に「狙われやすい家」と「狙われにくい家」があります。その違いは、鍵や窓の防犯性能だけでなく、窓の位置や外構の作り方など、住まいそのものの構造にもあります。例えば、家の裏手や植栽で隠れた場所など、人目につきにくいところにある窓やドアは、空き巣にとっては格好の侵入経路。また、2階の窓の直下に駐車スペースがある場合、車やカーポートを足場にして2階から侵入されることがあります。家を建てたあとで防犯対策を施すとなると、鍵一つを交換するにも費用や手間がかかり、負担が大きくなるもの。窓やドアの位置にいたっては、建てた後では変更できません。空き巣の侵入口は窓と玄関なので、家を新築する際は、計画段階から防犯に強い家づくりを意識しましょう。

《 戸建て住宅のセキュリティポイント 》

 ピッキング対策に優れた鍵や窓用の防犯フィルムは防犯対策の基本。加えて、強度の高い面格子や電動タイプの雨戸の設置も効果的です。防犯力を高めるには、侵入に時間のかかる仕掛けを作ることが大切です。まずは41ページのチェックリストで現在の防犯状況を確認し、気を付けるべきポイントをチェックしてみましょう。
 また、詳しくは後述しますが、最近では一般家庭でもIoTを活用したスマートロックやウェブカメラを安価に導入しやすくなっています。

《 防犯性能からみた玄関鍵のタイプ 》

住まいの防犯性を
チェックしよう

 防犯には、住む人の意識も大きく関わってきます。チェックリストに当てはまる項目が多い場合は今一度、ご自身の住まいや生活環境について見直す必要がありそうです。
 ALSOK関西営業部の吉田さんによると、一戸建てへの侵入は約9割が一階からですが、ピッキングによる侵入は少なく、意外に多いのが「戸締りをしていない窓」から。とくにお風呂やトイレなどに設置された小さな窓は、換気のために開け放している家庭が多いうえ、植栽や塀に囲まれて見えづらくなっていることが多く、侵入経路になりやすいそう。
 SNSの投稿にも危険が潜んでいます。旅行中に写真を投稿するのは、家が留守であることを侵入者に教えているようなもの。インターネットの普及によって、個人情報流出の危機は他人事ではなくなりました。投稿のタイミングや内容には十分に注意が必要です。
 しかし一方で、ITの進化はセキュリティシステムの進化という恩恵ももたらしています。



< C H E C K L I S T >
簡単にできる「防犯チェック」

あてはまるものにチェックをつけて、最後にその数を数えてください。あなたの現在の「防犯意識」や「防犯対策」について診断します。
出典: ALSOK 綜合警備保障株式会社

Check.1
あなたやご家族の習慣

□ 洗濯物を干したまま、夕方遅くまで外出することがある
□ 合鍵を、ポストや植栽の中などに隠している
□ 不在がちで、新聞や郵便物などがポストに溜まっていることがある
□ 「(誰かが)閉めたはず」と思い込み、鍵を掛け忘れたことがある
□ 居住地や生活パターンが分かるような投稿をSNSにあげたことがある

Check.2
あなたの自宅の周辺環境

□ 家のまわりは、昼夜を問わず人通りが少ない
□ 自分の住む地域は、防犯対策にあまり関心がない
□ 近隣で新築中や工事中の現場がある
□ 近所付き合いがあまりなく、人と会っても挨拶しない

Check.3
あなたの自宅への侵入経路

□ ゴミ出しや近所のコンビニへ行くときなどは、鍵をかけない
□ 2階のバルコニーや風呂場の窓を開けたままにすることがある
□ 生け垣や塀が高く、外からは敷地の中がほとんど見えない
□ 電柱など、足場になるものが近くにある

Check.4
あなたの自宅への侵入経路

□ 玄関や勝手口の錠はひとつしかない
□ 玄関や勝手口の錠には、ピッキング、サムターン回し対策をしていない
□ 窓に補助錠をつけていない
□ 高窓や裏手の窓に、面格子を設置していない

Check.5
あなたの自宅の犯行抑止効果

□ センサーライト(人や車を感知すると点灯する防犯ライト)を設置していない
□ カメラ付きのインターホンを設置していない
□ 庭や通路などに、踏むと音がでる玉砂利を敷いていない
□ 警備会社などのステッカーを貼っていない
□ タイマー式の照明を外灯やリビングなどに導入していない。

あなたの現在の「防犯意識」や「防犯対策」
【 診 断 結 果 】

さて、いくつチェックされましたでしょうか?チェック項目が少ない方ほど防犯意識が高く、各種対策も講じていらっしゃると考えられます。

▶0~6個の方
防犯意識が高く、防犯対策にも真剣に取り組んでいらっしゃるようですね。しかし油断は禁物です。泥棒はほんのちょっとしたスキを狙っているのです。さらなる防犯体制の強化を検討ください。

▶7~11個の方
防犯意識を持って防犯対策に取り組んでいらっしゃるようですね。しかし、まだ狙われやすいスキが残っているようです。住宅侵入の手口で最も多いのは「ガラス破り」です。まずは窓の防犯対策から強化してみましょう。

▶12~17個の方
防犯意識はお持ちのようですが、具体的な対策はあまりしていないようですね。「玄関や窓に補助錠をつける」「音の出る(防犯)玉砂利を敷く」などの物理的対策の強化に加え、日常の行動を防犯面から見直してみるなど、もう一歩踏み込んだ防犯対策を始めてみましょう。

▶18個以上の方
あなたはあまり防犯意識が高いとは言えないようですね。まずは日頃の習慣から、見直してみましょう。「近隣で知らない人を見かけたら、声掛け(挨拶)する」「ちょっとした外出でも必ず鍵をかける」など、心がけ一つですぐにできることから始めてみてください。被害に遭う前に、ぜひ何かしらの防犯対策を講じることをおすすめします。


IoTの進化・普及で
セルフセキュリティも可能に

 セキュリティと言えば、異常を感知すると警備員が駆けつけるホームセキュリティをイメージする方が多いでしょう。しかし最近では、ALSOKの「アルボeye」のように、IoT技術を駆使した「セルフセキュリティ」の人気も高まってきています。これは、タブレットやスマートフォンから自宅内を監視したり異常を感知したりできるシステムです。導入コストも機器代金のみで、月々の費用(ランニングコスト)がかからないため、手軽に始められるようになっています(ガードマンが駆けつけるプランもあります)。

《 自宅の様子が遠隔でわかる HOME ALSOK アルボeye 》

アプリ画面イメージ

●パンチルトカメラ(ゲートウェイ機能付カメラ)

 その主軸機器となるのが、スマホやタブレットから室内を監視できるセンサー付きのウェブカメラです。専用アプリでカメラを上下左右に動かして室内のライブ映像を見たり、専用録画ソフトで録画をしたりと、外出先でも遠隔操作や設定管理が可能です。もし異常を検知したら、警報を鳴らして侵入者に警告・威嚇。侵入者に「監視されている」ことを意識させ、被害を最小限に抑えることができます。
 Wi‐Fi接続できるタイプなら、電源を入れてIDとパスワードを入力するだけですぐに使用可能。また、異なる機器のネットワークをつなげるゲートウェイ機能が搭載されているため、オプションとして次のような機器を連携させてカスタマイズすることができます。

●マルチセンサー((開閉・空間センサー)

 ドアの開閉を検知する開閉センサーやエリア内に人が入ると感知する人感センサー、室温が異常値になるとお知らせする温度センサー、明るさが変化すると感知する照度センサーなどで空間の異常を検知し、画像やアラートをスマートフォンやタブレット端末に送信します。玄関やリビングなど、複数箇所に設置するとさらに効果的です。

●スマートロック(連動操作)

 鍵の内側に設置すると、秒数指定をして自動でロックがかかるように設定でき、閉め忘れを防止。また、専用アプリからのロックやロック解除も可能に。留守中に鍵が開くとアプリにポップアップでお知らせし、ウェブカメラの画像がメールで送信されるタイプもあります。

《 気をつけておきたいこと 》

 IoT機器には、初期設定の時点で機器ごとにバラバラのIDとパスワードが設定されています。後で変更する際にも、安全のために全て異なるパスワードを設定しましょう。
 ウェブカメラや連携機器はホームセンターなどでも購入できます。ただし品質はまちまち。信頼できる販売メーカーを選びましょう。設置や設定に自信がない方は、警備会社から購入し、サポートしてもらうのがおすすめです。機能もさまざまでどれを導入すればよいのか迷ってしまいますが、「何を守りたいのか」を明確にすると選びやすくなります。

[ こんな方法も… ]

使っていないスマホをWi-Fi等を使ってインターネット接続し、専用のアプリをインストールすると、スマホをライブカメラとして使うこともできる(電源の常時供給が必要)。

防犯だけでなく見守りにも
役立つアルボeye

 自宅の様子が外出先から分かる「アルボeye」は、不在時の防犯対策にはもちろん、在宅時の見守りのために導入する家庭も増えています。たとえば、ウェブカメラにスマートロックとドア開閉センサーを連携させ、子どもの帰宅時にお知らせメールを受け取ったり、ウェブカメラを操作して留守番中の様子をライブ映像で見たりと、離れていても子どもの安全を確認でき、共働き世帯に安心です。また、遠方に住む高齢の両親やペットの見守りにも効果的。温度センサーと連携させれば、熱中症にならないように室温を確認できたり、心配なときはカメラに内蔵されたスピーカーから声かけも可能です。こうしたIoTの進化は、地域全体での見守りにも活用されはじめています。

①自宅への侵入者をチェックできる
留守中の侵入者を感知し、スマホで離れた場所からでも室内を確認できる。

②子どもの帰宅を知らせてくれる
設定した時間内に、子どものご帰宅をセンサーが感知し、スマホへ知らせてくれる。

③ご高齢者の見守り
スマホで映像を確認しながら、双方向通話機能で声かけも可能。

④留守番の見守り
お子様、ペット、ベビーシッターなど、あらゆるシーンでの室内の様子を確認できる。

警備のプロが駆けつける
ホームセキュリティサービス

 ホームセキュリティもまた、IoT技術によってさらに便利になっています。以前はできなかった遠隔操作による警備の開始や解除が、専用アプリもしくはウェブサイトから操作可能です(※1)。会社や外出先など、どこからでも自宅のセキュリティを管理でき、警備の入れ忘れを防げます。
 ホームセキュリティとセルフセキュリティとの最大の違いは、異常時にはガードマンが駆けつけ、状況報告を電話してくれることです。家族のライフスタイルや家の広さなどによって、必要な防犯対策は異なります。どんなセキュリティを導入すればいいか判断に迷う場合は、警備会社に電話やメールで相談を。防犯のプロから最適なプランを提案してもらいましょう。
※1 スマートフォンの場合、一部対応できない機種があるため、警備会社に確認を。

《 IoT以外にも、すぐにできる防犯対策 》

防犯性の高い住まいとは、「侵入しにくい」家です。泥棒の気持ちになって侵入手段や手口を考えてみると、有効な対策が見えてきます。死角となる家の側面などには、歩くと音が鳴る防犯砂利を敷くのがおすすめ。また人の動き・音を感知して、ライトが自動的に点灯するセンサーライトも効果的です。最も侵入が多い窓には、ガラスを強化するフィルムシートや補助錠で開けにくい状態を作りましょう。

【 センサーライト 】

【 防 犯 砂 利 】

【 フィルムシート 】

【 補 助 錠 】